「人の話を聞ける子になってほしい」それってどう育てる?
小学校の個人面談などで、「集中力がない」「先生の話を聞いていない」と言われたことはありませんか?
また、家庭でも…
- 「ちょっと!話聞いてるの?」
- 「何度言ったら分かるの!」
- 「返事だけして、やってないじゃん!」
こんなふうに、子どもの“聞く力のなさ”にイライラしてしまうこともありますよね。
でも実は、「聞く力」は教え込むものではなく、親との会話の中で自然に育っていく力なのです。
「聞く力」=生きる力の土台になる
「聞く力」とは、単に“耳で音を拾う”ことではありません。
- 相手の言葉を理解する力
- 内容を記憶し、考えを整理する力
- 感情や意図をくみ取る力
これらを総合的に働かせて、相手の話に意識を向けられる力を指します。
この力は、学校生活だけでなく、友人関係、将来の仕事、人間関係など、あらゆる場面で必要不可欠なものです。
なぜ「聞けない子」になってしまうのか?
- 常に受け身で話を「聞かされている」
- 一方的に注意や指示ばかりされている
- 「自分の話を聞いてもらった経験」が少ない
実は、**「話を聞ける子」は、話を“聞いてもらえた子”**でもあります。
つまり、「聞く力」は双方向の関係性の中で育つのです。
「聞く力」を育てるための5つの親の関わり方
1. 子どもの話を最後まで遮らずに聞く
忙しい時ほどつい、「あとにして!」「それよりさ」と言いたくなりますよね。
でも、子どもの話を途中で遮られる経験が続くと、
- 「どうせ聞いてもらえない」
- 「話すのをやめよう」
- 「人の話も、聞かなくていいや」
と、コミュニケーションそのものへの興味を失ってしまいます。
まずは、
- 手を止めて目を見て
- うなずきながら聞いて
- 「へえ、そうなんだ!」と反応する
たった数分でもいいので、「ちゃんと聞いているよ」という姿勢を見せることが大切です。
2. 「聞く」時間を日常に習慣化する
- 朝の「今日楽しみにしてることある?」
- 帰宅後の「学校で面白かったことは?」
- 就寝前の「今日、うれしかったことある?」
こんなふうに、“話す時間”=“聞く時間”を日常に組み込むと、自然と「聞く・話す」のサイクルが回りはじめます。
聞いてもらえると、子どもは気持ちが整理され、相手の話にも関心を持ちやすくなるのです。
3. 親子で“会話のルール”を共有する
会話のルールは、学校や社会生活でも重要なスキルです。
- 話している人の目を見る
- 相手の話が終わってから自分が話す
- 途中で口を挟まない
- 相手の話を最後まで聞く
こうしたルールは、強制ではなく、「一緒に練習する」「家庭でも守る」ことで、自然と身についていきます。
4. 絵本や読み聞かせで「集中して聞く」体験を
読み聞かせは、ただの娯楽ではありません。
- 音や言葉に集中する
- 話の流れを理解する
- 感情移入する
など、「聞く力」を楽しく自然に育てるツールです。
子どもが飽きない短い絵本や、音のリズムが心地よいものから始めて、“聞くって楽しい”という経験を積み重ねましょう。
5. テレビやスマホに話しかける習慣を減らす
親が子どもに話しかけるとき、テレビを見ながら、スマホを触りながらでは、子どもも「聞く姿勢」が育ちません。
親自身も、
- 子どもが話してきたときはスマホを置く
- 一緒に目を合わせて会話する
- 子どもの話に興味を持ってリアクションする
という**“聞く姿勢”を見せることで、子どもは自然とまねをし、会話に集中するようになります。
「話せる子は、聞ける子」になる
子どもがたくさん話してくるのは、実は大きなチャンス。
- 気持ちを言葉にする練習になる
- 自分の考えをまとめる力が育つ
- 相手の話に興味を持つようになる
つまり、「話す力」を育てることが、「聞く力」にもつながっていくのです。
まとめ:「聞く力」は親子の会話から育つ
「話を聞ける子にしたい」と思ったとき、まずは**「親が子どもの話を聞く姿勢」**を見直してみましょう。
- 子どもの話を途中でさえぎらない
- 目を見てうなずく
- 毎日5分でも“聞く時間”をつくる
- 会話のルールを一緒に学ぶ
- 読み聞かせや楽しい会話を取り入れる
これらの積み重ねが、子どもの聞く力=“生きる力”の土台になります。
そしてなにより、「この人なら自分の話をちゃんと聞いてくれる」という安心感は、子どもにとっての最高の信頼です。
みなさん!!
子育てを楽しみましょう!!