「叱る」と「怒る」は違う?
子育てをしていると、「つい怒鳴ってしまった」「またイライラしてキツく叱ってしまった…」と自己嫌悪に陥ることってありますよね。
でも、本来の「叱る」という行為は、**子どもをコントロールするためのものではなく、子どもが“より良く育つためのサポート”**なのです。
では、どうすれば子どもにきちんと伝わる「叱り方」ができるのでしょうか?
なぜ、叱っても子どもは聞かないのか?
「何度言っても同じことをする」
「逆ギレする」
「泣いて黙ってしまう」
そんな経験、きっとあると思います。
それは、叱る内容や言い方が、子どもの心に届いていないからかもしれません。
子どもは、大人より感情に敏感です。
大声・命令口調・否定的な言葉ばかりだと、「怒られてる=否定されている」と感じてしまい、防衛モードになってしまうのです。
「叱る」の目的を見直そう
叱る目的は「子どもを従わせること」ではありません。
本来の目的は:
- 自分の行動を振り返る力を育てる
- 社会で生きるルールを伝える
- 相手の立場や気持ちを想像できる力を育てる
つまり、**自分で考えて行動できるようになるための“ガイド”**としての役割があるのです。
叱る前に意識したい3つのステップ
1. 深呼吸して「感情」ではなく「目的」に立ち返る
怒りの感情のまま叱ると、「感情のぶつけ合い」になりがちです。
一度立ち止まり、
- 「なぜ叱るのか」
- 「どう伝えたいのか」
- 「この子にどうなってほしいのか」
を心の中で確認しましょう。感情の波を落ち着けることで、伝えたいことがぶれずに言えるようになります。
2. 具体的な行動にフォーカスして伝える
NG例:「なんでいつもだらしないの!」
OK例:「ご飯の前に片づけるって言ったよね。どうしてやらなかったのか話そうか」
ポイントは、
- “人格否定”ではなく“行動の指摘”
- 「いつも」「全然」などの極端な言い方を避ける
- なるべく冷静な声で話す
です。
3. 子どもの話もちゃんと聞く
叱る=一方通行になりがちですが、子どもにも必ず「理由」「事情」「言い分」があります。
- 「どうしてそうしたの?」
- 「困ってたことあった?」
- 「どうしたら次はうまくいくかな?」
と問いかけ、子どもの言葉に耳を傾けましょう。
このやり取りの中で、**子どもは「考える力」と「自分の行動に責任を持つ力」**を育てていきます。
年齢別:叱り方のポイント
■ 幼児(〜6歳)
この時期は「まだ言葉で理解する力」が発展途中。
叱るよりも「共感」や「一緒にやってみせる」ことが効果的です。
例:「おもちゃを投げたら痛いよ。おもちゃはこうやって使おうね」
また、短くわかりやすい言葉で、ルールと理由をセットで伝えるとよく理解できます。
■ 小学生
論理的な思考が芽生えてくる時期。
行動の結果や相手の気持ちについても、少しずつ考えられるようになります。
例:「待ってたのに来なかったら、〇〇くんはどう思うかな?」
→ 行動の“社会的な意味”を話し合えるとベストです。
また、怒らずに話をすると「聞いてもらえた」「ちゃんと向き合ってくれた」と感じ、親子関係も安定します。
「叱ったあと」がいちばん大事
叱った直後、子どもは不安な気持ちになります。
「嫌われたかも」「もう許してもらえないかも」と感じてしまうことも。
だからこそ、叱った後には必ずフォローを。
- 「さっきは真剣に話したよ」
- 「あなたのことが大切だからだよ」
- 「また一緒にがんばろうね」
こんな言葉が、子どもの心に温かく残ります。
まとめ:「叱る」は親の大切な仕事のひとつ
叱ることは、決して悪いことではありません。
むしろ、「愛情」と「信頼」を土台にした叱り方は、子どもの心を強く、柔軟に育ててくれます。
- 感情に流されず、落ち着いて目的を意識する
- 子どもの立場に立って伝える
- 叱ったあとは、必ずフォローする
これらを意識していくと、「叱る」が少しずつ「伝わる」ようになり、親子の信頼関係も深まっていきます。
みなさん!!
子育てを楽しみましょう!!