「自己主張=わがまま」だと思っていませんか?
- 「いやだ!」と泣きわめく
- 「〇〇したい!」と何度も言う
- 「自分の思い通りにならないと怒る」
こんな子どもの姿を見ると、「わがままな子になってほしくない」と思い、つい叱ってしまうことがあります。
でも、実はその中にこそ、「自分の考えを伝えようとする力=自己主張の芽」が隠れているのです。
自己主張は、健やかな成長の証
子どもが自分の思いを言葉で表現できることは、社会性や自己肯定感を育てる土台になります。
自己主張とは、「相手を思いやりながら、自分の気持ちや考えを伝える力」のこと。
この力があれば、
- 自分の意見をしっかり持てる
- 理不尽なことを「NO」と言える
- 他人との違いを受け入れられる
つまり、人と上手に関わるためのコミュニケーション力に繋がっていくのです。
「自己主張」と「わがまま」はどう違う?
一見似ているようですが、実は根本的に異なります。
種類 | 内容 |
---|---|
自己主張 | 自分の意見や気持ちを伝える(相手への配慮あり) |
わがまま | 自分の要求を一方的に通そうとする(相手の都合を無視) |
たとえば:
- 「お菓子が食べたいな」は自己主張
- 「今すぐお菓子買って!イヤだ!買ってよ!」はわがまま
違いは**「相手を思いやる気持ちがあるかどうか」**です。
自己主張が苦手な子はどうなる?
- 言いたいことを飲み込んでしまう
- 周りに流されてばかり
- 嫌なことを断れない
- 怒りが爆発するまで我慢してしまう
一見「聞き分けのいい子」でも、自分の気持ちを押し殺していると、将来の人間関係に苦しむ可能性があります。
だからこそ、自己主張は小さい頃から少しずつ育てていく必要があるのです。
子どもの自己主張を育てる5つの関わり方
① 子どもの気持ちを「まず受け止める」
「そんなこと言っちゃダメ」「わがまま言わないの!」では、気持ちそのものを否定されてしまいます。
たとえば:
- 「そう思ったんだね」
- 「嫌だったんだね」
- 「やりたかったんだね」
このように、“気持ち”と“行動”を切り分けて受け止めることが大切です。
② 「どうしたいの?」と選択肢を与える
自己主張のトレーニングには、日常の選択の積み重ねが効果的です。
たとえば:
- 「公園とおうち、どっちがいい?」
- 「りんごとバナナ、どっちを食べる?」
- 「この服とこの服、どっち着たい?」
選ぶ経験を重ねることで、「自分の意見を言ってもいい」という安心感が育ちます。
③ 親が「上手な主張の仕方」をモデルとして見せる
子どもは、親の言動をよく見ています。
- 「今、ちょっと疲れてるから10分だけ休ませてくれる?」
- 「お母さんも、あなたの話を聞いて嬉しいよ」
- 「◯◯してくれたら助かるなぁ」
このように、**「自分の気持ちを伝えつつ、相手も尊重する」**話し方を見せることで、自然と身につけていきます。
④ 「言えたこと」に注目してほめる
子どもが自分の気持ちを表現できたときは、積極的に認めましょう。
- 「ちゃんと自分で伝えられてえらいね」
- 「勇気を出して言ってくれてありがとう」
- 「そう言ってもらえると分かりやすいよ」
こうした言葉が、「また伝えてみよう」という自信になります。
⑤ 「ダメなことはダメ」と伝える勇気も大切
自己主張を受け入れることと、何でも言いなりになることは違います。
- 「お菓子はまた明日にしようね」
- 「その言い方だと相手は嫌な気持ちになるよ」
- 「言いたいことは分かったけど、今は難しいかな」
気持ちは受け止めつつ、行動に制限をかけることも、親の大切な役割です。
自己主張は、思いやりとセットで育てよう
「言いたいことを言う」だけでは、単なる自己中心的な振る舞いになってしまいます。
- 相手にも気持ちがある
- 自分の気持ちを伝えるときには工夫が必要
- 伝えるタイミングや言い方も大事
これらを伝えながら育てることで、「相手と自分を両方大事にできる子」に育っていきます。
まとめ:親が「聞く姿勢」を持てば、子どもも伝える力を持つ
子どもが自己主張できるようになるには、まず親が
- 子どもの話をさえぎらずに聞く
- 「伝えてくれてうれしい」と伝える
- 気持ちに寄り添いつつ、境界線をしっかり引く
という姿勢を持つことが大切です。
子どもが「自分の気持ちを話しても大丈夫」と思えた時、初めて自己主張は育ちます。
そしてその力は、いじめやトラブル、自分らしい人生を選ぶ力にもつながっていきます。
みなさん!!
子育てを楽しみましょう!!