「泣く」「怒る」だけじゃない!
「自分の気持ちをちゃんと伝えられる子になってほしい」と願う親は多いと思います。
でも現実には、
- すぐ泣き出す
- かんしゃくを起こす
- 黙ってしまう
- 手が出る
といったように、感情を“うまく言葉にできない”子どもに悩む方も少なくありません。
この記事では、「感情を言葉にできる力=感情表現力・自己表現力」を育てる子育てのコツを、日常の中でできるシンプルな工夫とともに紹介します。
なぜ「感情を言葉にする力」が大切なの?
感情をうまく表現できないと、以下のような問題が起きやすくなります:
- 周囲とのトラブルが増える
- 我慢が限界に達して爆発してしまう
- 親や先生との信頼関係が築きづらい
- 自分の気持ちに気づけず、モヤモヤを抱えたまま過ごす
逆に、感情をうまく言葉で伝えられる子は…
- 落ち着いて自分の状態を説明できる
- 相手と衝突する前に対話できる
- 自分を理解し、安心感を持って生活できる
つまり、「感情を言葉にできる力」は、生きる力の土台なのです。
感情を言葉にできない理由とは?
実は、子どもが感情をうまく言葉にできないのには、こんな理由があります。
- 「怒り」や「悲しみ」などの語彙を知らない
- 「気持ちを伝えてもわかってもらえない」という過去の経験
- 「泣かないの!」「我慢しなさい!」などの感情否定を日常的にされている
- 親自身が自分の気持ちを言葉にできていない
これらが積み重なると、子どもは「気持ちを言葉にするのはムダ」「怖い」「面倒」と感じてしまい、感情を閉じ込めるようになります。
子どもの“気持ちの言語化力”を育てる3つの工夫
① 親が自分の気持ちを言葉にして伝える
まず大切なのは、大人が感情を口に出す姿を見せることです。
- 「今日はちょっと疲れているんだ」
- 「あなたが手伝ってくれてうれしい」
- 「さっきの言い方にカチンときちゃった」
このように、喜怒哀楽を隠さず、落ち着いたトーンで説明することが、子どもの「感情は言葉にしていいものなんだ」という安心感につながります。
② 子どもの感情を代弁してあげる
子どもがまだうまく言えないときは、「気持ちの翻訳者」になってあげてください。
- 「悔しかったんだね」
- 「貸したくなかった気持ち、あるよね」
- 「びっくりしたんだね」
こうした声かけを通して、「あ、自分の気持ちはこれだったんだ」と子どもが気づけるようになります。
※ポイントは、“決めつけず、寄り添うように”伝えることです。
③ 絵本やカードで「感情の語彙」を増やす
言葉がなければ、感情は表現できません。
そこで役立つのが、感情の語彙を増やすアイテムです。
- 「うれしい」「悲しい」「悔しい」「もやもや」「ドキドキ」など、気持ちをテーマにした絵本
- 表情カードや「きもちカード」で一緒に遊ぶ
- 「今日はどんな気持ちだった?」と1日の終わりに“気持ちふりかえり”をする
これらを続けることで、子どもは自然と“気持ちの言語”を身につけていきます。
感情を言葉にすることは「弱さ」ではなく「強さ」
「泣かないで」「怒っちゃダメ」「我慢しなさい」
…私たちは、ついこう言ってしまいがちです。
でも感情は“消す”ものではなく、“整理して伝える”もの。
それができる子は、他人との距離感も上手にとれるようになり、結果として人間関係もうまくいくようになります。
親自身も「気持ちを伝える練習」を
親が感情を抑え込んでしまうタイプだと、子どもにも「感情=出しちゃいけないもの」という刷り込みが起きてしまいます。
疲れたとき、イライラしたとき、うれしかったとき。
自分の気持ちに気づき、それを誰かにシェアする習慣を、まずは親から始めてみましょう。
子どもは、親の背中を見て育ちます。
まとめ:「気持ちを話していい」が伝われば、子どもは変わる
子どもが感情を言葉で表現できるようになると、ぐっと落ち着きが出てきます。
トラブルも減り、親子の会話もぐんと深くなります。
今日からぜひ、以下を意識してみてください:
- 親が感情を言葉にして伝える
- 子どもの気持ちを代弁してあげる
- 感情語彙を一緒に増やす
「感情は敵じゃない。味方にできる力なんだよ」
そんなメッセージが、毎日の声かけから伝わっていきますように。
みなさん!!
子育てを楽しみましょう!!